【夏限定】ダメ男の体毛が濃いことの利点【閲覧注意】

 夏になると増えるのが蚊やハエなどの小さい虫たちだ。僕は洗い物を最低5日最高だと10日程放置する。それに加えてゴミ袋をぱんぱんになるまで貯めてから捨てに行くので、夏は僕の天敵だ。

 

 貯めすぎたゴミ袋の中は彼らにとってユートピアなのだろう。すさまじい量のハエが繁殖していたこともザラだ。ゴミ箱の蓋に蛹が30匹ほどいたこともある。そして育ったハエたちは出口を求めてゴミ箱を押さえつけている蓋の隙間から出てくる。部屋やシンクで彼らは飛び回る。

 


 

 蚊やハエたちはかなりの機動力を持っており、視界に入り次第デストロイの姿勢で彼らに挑んでも殺しきれない。百式観音を扱う僕ですら仕留めきれないほどだ。

 

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 話は変わって僕には生まれついて持っている借金がある。全身の濃い体毛だ。

 現代では男性女性問わず脱毛に非常に大きな関心があり、中には体毛があったほうがいいという珍しい人類もいるようだが、基本的には体毛がないほうがいいと思っている方のほうが多いだろう。

 そう我々体毛の濃い人間は生まれつき脱毛費用という借金を負っているのだ!床に落ちた縮れたすね毛は最早陰毛と差はない。

 自分の体についてこれなくなった縮れた毛は全て陰毛なのだ。自分に生えていた頃はすね毛という名称だが床に落ちた時点で、そいつは陰毛の抜け毛として判別され汚いものと同じ分類にされる。

 


 

 ここで本題だ。一見関係がないこの全身の毛と夏場の虫を結び付けよう。

 僕が虫を仕留めきれずイライラしているとき助けてくれるのが濃い体毛だった。彼らは僕の体、特に生身の部分に近寄って着陸してくる。だが彼らに待ち受けているのは黒いジャングルだ。彼らはジャングルの樹木をかき分けてようやく皮膚にたどり着く。

 ここで彼らにとって誤算だったのは「帰りにもそのジャングルが待ち受けている」ということだった。帰るまでが遠足。つまり僕が彼らの存在に気づき百式観音を顕現させて殺そうとしている最中、彼らは飛び立つことが出来ず漆黒のジャングルに絡みつかれているのだ。まるでジャングル全体が食虫植物かのように入った虫を生きて返さないかのようだった。

 


 

 こうして僕は過去に数度虫を殺した実績を解除しており、濃い体毛にも少なからずメリットがあるのだなと多すぎるデメリットを消すことすらできない意外な長所に悲しくなるのであった。